最近、子どもだけでなく大人にも、感情のコントロールができず「キレる」状態や、社会性の欠如した行動が見られます。
それらは、朝食抜きや外食、ジュース類やスナック菓子、インスタント食品などの加工食品が中心の食生活を続けることによる「脳の栄養不足」が原因の一つと言われています。
では、脳の栄養不足にならないためには、どうしたらよいのでしょう。
「キレる」のは脳の栄養不足
広島県福山市、尾道市で1986年に中学1年生~3年生の男子615人、女子554人の計1,169人を対象に行われた調査の結果、野菜や海藻の摂取が少なく、ジュース類やスナック菓子、インスタント食品を多く摂り、朝食を食べていないという「食」の内容が良くない状態にある子どもほど、情動が不安定で、根気がなく、常にイライラしてカッとしやすいという傾向が見られました。
食生活の良くない男子 | 食生活の良い男子 | |
腹が立つと答えた割合 | 96% | 29% |
イライラすると答えた割合 | 92% | 32% |
すぐカッとすると答えた割合 | 88% | 26% |
この結果に対し、調査を行った教授は、以下のようにコメントしています。
「脳活動に不可欠なたんぱく質、ビタミン、ミネラルが不足した食事を摂っているため、脳が栄養失調を起こしている」
便利でおいしい現代食も「キレる」原因
お菓子やジュースの甘い罠
砂糖は脳のエネルギーとなるブドウ糖の供給源ですが、砂糖の過剰摂取は低血糖症を起こし、イライラ、落ち込みやすい、感情のコントロールが効かないなど「キレる」という状態が生じます。
菓子類だけでなく、ジュースなどの清涼飲料水をたくさん飲むような食生活が続くと、血糖値の調節機能が正常に働かなくなり、キレやすくなるのです。
さらに、ビタミンやミネラルも消耗するため、ストレスへの耐性をなくし、異常行動へ走る危険性も増します。
便利な食品の裏に潜むもの
インスタント食品や冷凍食品、お菓子などに含まれる食品添加物や農薬などの化学物質や環境ホルモンが、情動障害や脳の機能低下に関連していると言われています。
米国の小児科医は、「子どもの多動性障害の約4割に、着色料や防腐剤として使われている食品添加物が関与している」と指摘し、食品添加物を完全に除去することで5~7割に回復が見られたと報告しています。
何を食べるかではなく、何を食べないか
健康のことを気にし始めると、何を食べたらよいのか…食べるものがない…と悩んでしまいがちです。
しかし、大切なのは、何を食べるかではなく何を食べないかです。
まずは、知識をつけること。
原材料表示などを見る習慣をつけるだけでも意識が変わってきます。
そして、悪いものを体に入れないこと。
人それぞれ体は違いますので、体にとって良い食べ物はそれぞれ違います。
しかし、「毒」となるものは共通です。
良くないものを摂らないだけでも、健康につながることを知っていただきたいです。
高いから無農薬や無添加な食品は買えない…と言う人がいますが、悪いものを入れないことにはお金はそこまでかかりません!
まずは、できることからスタートしてみましょう。