外はうだるような暑さ…しかし、電車やオフィス、お店の中などでは冷房がガンガンにきいている、暑いので冷たい飲み物や食べ物を食べる機会も増える、そんな夏は冬以上に体が冷える環境が整い過ぎています。
自分でも気づかないうちに体が冷えてしまい、それが、実は頭痛や不眠、むくみやめまいなどさまざまな体の不調を引き起こす要因になっていることもあります。
冷えなんて無縁…と思っている男性も油断は禁物!
最近では男性の冷え性や、隠れ冷え症(内臓冷え性)も増えています。
まずは冷えチェック!
- 夏でもほとんど汗をかかない
- 下痢あるいは便秘気味
- 目の下のクマが取れない
- 肌がカサカサ&荒れやすい
- 生理不順、生理痛がある
- むくみがち
- 疲れやすい、疲れがとれずいつもだるい
- イライラしやすい
- 夜中、トイレで目を覚ます
- 年中肩こりに悩まされている
- 頭痛、腰痛、膝痛がある
- 運動不足、ちょっと運動すると息切れする
- 寝相がいい
- 耳を折ると痛い
冷え性とは、手、足、腰、下腹部、肩、首筋など体の一部分や全身が冷たく感じる状態のこと。
様々な原因によって血管が収縮し、血液の流れが悪くなり、手や足など末梢の毛細血管までスムーズに血液が流れなくなります。全身の血液循環が悪くなり、手足よりも重要な内臓に血液を運ぼうとするため、手足に血液が届かなくなり“冷える”のです。
血液の循環が悪くなると、全身へ酸素も栄養も行き届かないどころか、二酸化炭素や老廃物も排泄されなくなります。栄養も届かなければ、毒も溜まる体になってしまい、体の不調の原因や万病のもとになります。
冷える原因は「自律神経」!
私たちの体には「体温調節機能」が備わっていて、寒いところでは毛細血管を収縮させ、体温を皮膚から逃がさないようにし、反対に暑いところでは、毛細血管を拡張させ、熱が皮膚から発散しやすいようにしています。冷え性とは、この「体温調節機能」がうまく働かなくなってしまうこと。
この血管収縮による体温調節機能をコントロールしているのが「自律神経」です。自律神経は、ホルモンバランスの乱れ(更年期や出産などは劇的に変化し)、ストレス、睡眠不足、栄養不足、喫煙などによって乱れやすくなります。
例えば、ストレス状態が続くと、血管は収縮状態が続き、全身にめぐる血流量が減ります。しかし、内臓を働かせるためには十分なエネルギーが必要なため、内臓に優先的に温かい血液が流れ、その結果手や足に血液が運ばれず手足が冷えるのです。
体温が1℃下がると危険!
体内酵素の働きが50%低下する!
酵素は35~40℃前後で最も元気に働く為、体温が下がると体内酵素の働きが低下します。
内臓の働きが低下し、栄養の消化吸収だけでなく、エネルギー生産力も低下します。
基礎代謝が13%低下して太りやすくなる!
酵素の働きが鈍るため、代謝が低下し、体の中に余分な脂肪などの老廃物が溜まってしまいます。
また、1日200~500kcalが低下し、1ヶ月で体重が1~2kg増えることになり、ダイエットにも大敵です。
免疫力が37%低下する!
一年間のうち何度も風邪を引く&治りにくい、傷の治りが遅い、突然アレルギー性疾患になるなど、様々な不調を引き起こします。さらに、がん細胞は低体温(35.0℃)を最も好んで増殖し、39.3℃で死滅するため、冷えるほどがんになりやすくなります。
夏の間の冷え対策のポイント
熱を生む工夫、熱が逃げない工夫、温める工夫をすることがポイントです。
その為には、バランスのよい栄養とライフスタイルを整えることが欠かせません。
バランスの良い栄養
体温調節機能を司る自律神経の働きを整えるためには、神経やホルモン、血管や血液など全ての体の材料であるバランスのよい栄養が欠かせません。
特に、気温や気圧の変化が激しい梅雨の時期や季節の変わり目は、自律神経のバランスが乱れやすく、普段以上に栄養の消耗も激しいため、バランスのよい栄養を充分に届けてあげることが必要です。
さらに、体を温める食事もおすすめです。食べ物には、体を温めるものと冷やすものがあり、夏が旬の食材には冷やすものが多めです。暑い時期に夏の食材を食べて体を冷やすことはある意味で理にかなっているのですが、食べすぎには注意が必要です。野菜ならサラダではなく、蒸し野菜にするなど、あたたかい状態で食べるようにするなど工夫することも大切です。
冷えないためのライフスタイル
睡眠
冷え性の人は、夜になっても体温が下がりにくいため、なかなか眠りにつけないことがあります。寝具を保湿性、通気性に優れているものを選んだりして、眠れる環境を整えることが大切です。
運動
運動することで、血行が良くなり血液を送り出すポンプ力も強くなります。
全身の筋肉の70~80%が下半身にある為、下半身をよく動かす運動は、血行を促進させ、体温をUPさせるのに効果的。筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、熱を生み出しやすい体になります。
温める=血流を良くする
ぬるめのお湯にゆっくり浸かる、半身浴、足浴、手浴、マッサージなどをして、体を芯から温めると、血液の流れが良くなります。
冷やさない
レッグウォーマーや靴下、腹巻き、ひざ掛けなどで冷房対策をすること。
首は最も冷気を感じやすいところです。女性は特に首元や足首を温めると下半身の冷えに効果的です。